開発者の想い
「ALL-INを開発した理由」
6.邪魔をしている価値観
「日本人の生産性」に関して、とても意外なデータがあります。
それは、日本のホワイトカラーの生産性は、先進国の中では「最下位」であるということです。
世界の国々と比較して、圧倒的に資源に乏しい日本が経済大国になり、それを維持していることを考えると、日本人の生産性は高いはずです。また、私たち日本人が仕事を遂行する能力において、先進諸国の人たちと劣っているとも思えません。
しかし、事実は、そうではありません。
日本のホワイトカラーが1年かかって行う仕事を、上位国は何ヶ月で出来ると思いますか?なんと8ヶ月です。
1年で4ヶ月もの違いがあるのです。
これは生産性という観点からは、ものすごく大きな差です。
なぜ、能力の高い日本人の生産性が、こんなに低くなってしまったのでしょうか?
その深い原因の一つが、日本人の持つ「労働観」です。
私たち日本人は「働くことは尊いこと」だと、仕事を肯定的に捉えよとする考えが根強いです。ですから「汗水たらさないと仕事をしたことにならない」「楽をしてはいけない」と考えがちです。
この労働観が悪く働いてしまうと、仕事の効率化を阻害してしまいます。
「効率化=良いこと」ではなく「効率化=手を抜くこと=悪いこと」という感覚が、仕事を効率化して生産性を高める動きを止めてしまうからです。
その結果「真面目に一生懸命に働いているのに成果が低い」という、最悪の結果を生み出すことになります。
ヨーロッパでは、なぜバカンスを取れるのでしょうか?
それは「仕事よりプライベートを大切にしたい」「仕事を早く終わらせて楽しいことがしたい」という仕事に対するネガティブな労働観が、良い方向に働いているからです。
仕事を早く終わらせたい彼らは、徹底的に仕事上の無駄を無くそうとします。無駄な努力は排除し、効率化を図ります。だから、3〜5週間ものバカンスが取れるのです。
実際、ヨーロッパに限らず、他の先進国は、業務支援システムに代表されるような、より簡単に成果を出せる「道具」に投資をし続けてきました。そして、ホワイトカラーの生産性を飛躍的に向上させました。
実は、遅れているのは、日本だけなのです。
その根源が私たちの「真面目な労働観」にあるとしたら?
それは、哀しいことです。
しかし、それは、良い面にも働きます。
その証拠に、驚くべきことに、ブルーカラーの生産性は、ホワイトカラーの生産性と真逆で、先進国で最上位なのです。
戦後の製造業は、日本経済の発展を支えました。それは、トヨタを代表とした日本の優秀な製造業が「カイゼン」「ムダ取り」などの効率化を徹底して、生産性を極限まで高めようとする意志と実行力があったからです。
それがホワイトカラーの仕事で出来ないわけがありません。
日本は、問題に気づきさえすれば、製造業で実績があるように、圧倒的に効率化できると信じています。
ホワイトカラーでも製造業と同じような生産性を得られれば、大きな競争優位性になり、日本は世界の中で重要なポジションを担っていけるはずです。
この大きなキッカケになるのが、、、「システム」という