経営コラム

あなたの商品は「安すぎる」“適正価格”を設定するポイントとは?

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ビッグサイトで開催された、
「デザインフェスタ」へ出店してきました!

毎年5月と11月に行われるこのビッグイベントでは、
アーティストや、モノづくりをする方々が全国から集まり、
自らの作品を展示したり、商品を販売したりします。

私は昨年の秋に続く2回目の出店で、
今回も、趣味で作っているアクセサリーを販売してきました!

作品の製作やディスプレイなど、さまざまな準備をする中で、
一番苦労したのは、「商品の値決め」です。

自分で作った商品って、
いくらなら買ってもらえるのか、
その判断が非常に難しいですよね。

「経営の神様」と呼ばれる、京セラ創業者の稲森さんも、
「値決めこそ経営」という言葉を残しています。

実は今回、その「値決め」に関して、
イベント当日に、驚くべきことが起こったのです。

まったくの予想外で、初めはただただ驚いていたのですが、
その時ハッと、この出来事の中に、「商品の値決め」について、
重要なポイントが隠されていることに気づきました。

「あること」をすると、
商品の“適正な値段”をつけられることが分かったのです。

今回は、自身の体験から、
この「あること」とは何かをお伝えしていきます!

驚かれるくらい安い値決めをしていた?

お店をオープンしてから1時間くらい経った時のことです。
若いカップルのお客さまがやってきました。

彼女さんは私の作ったブレスレットを手に取り、
「かわいー!」とニコニコ。

一通り、手触りや材質を確かめられた後、
「おいくらですか?」と値段を聞かれたため、
「1,500円です」と答えたところ…

「や、安い?!」

あまりに驚いたのか、
お客さまは声が上ずっていました。

もちろん、すぐに購入してくださり、
私も笑顔で対応をしていたのですが、
心中は、ものすごく驚いていました。

というのも私自身は、
「手作りだから、1500円でも高いだろうか…」
なんて思っていたのです。

まさか安くて驚かれるとは、夢にも思いませんでした。

その後、「もしかして…?」と思い、
他のいくつかの商品も少し値段を上げてみたところ、
やはり、どれも何の問題もなくお買い上げいただけたのです!

自分で付けた価格が、
実はその商品の「適正価格」ではなかったのだと、
その時に初めて気が付きました。

今回なぜこのように、自分の付けた価格と、
お客さまとの間に「値段のギャップ」が起こったのでしょうか。

それは、双方の思い描く、
「商品のカテゴリーが違った」からです。

詳しく見ていきましょう!

値決めの考え方

私が自分の商品の値段を決めようと思った時、
まっさきに考えたのは「原価と製作時間」です。

「原価がこのくらいで、製作にはこれだけ時間がかかったから、
少し利益を上乗せしてこのくらいかな?
でも手作りだから、ちょっと低めにしておこう」

そんな風にして値決めをしました。

しかし、これこそが問題だったのです。

こうやって付けた値段は、
あくまで「提供者が最低限、損をしない価格」でしかなく、
商品そのものの価値や、お客さまの意思は反映されていません。

でも、よくよく考えてみると、
お客さまが商品を購入する時には、
「原価や製作時間」って実はまったく関係無いですよね?

まして、その商品がアマチュアの手作り作品でも、プロの手作りでも、
はたまたロボットが生産したのだとしても、
その製作過程は、お客さまには分かりません。

家電量販店においてある冷蔵庫を見た時に、
「これの原価はいくらだろう?すべて人力で作ったのかな?」
なんて、考えたことがあるでしょうか。

お客さまが、「ほしい!」と思った商品が、
自分が「これくらいかな?」と思う値段と比べて、
高すぎず安すぎず、適正価格なら買い、不適正なら買わない。

今回の私の例では、
お客さまが思った「これくらいかな?」という値段よりも
実際の商品の値段が、だいぶ安かったために驚かれたのです。

ということは、値決めをする時には、
お客さまが思う「これくらいかな?」という価格を
見つける必要があるということ。

この「これくらいかな?」という価格こそが、
値決めをする上で重要なポイントになるのです。

 

5つの価格帯

突然ですが皆さんは、商品の値段には、
「5つの価格帯」があることをご存知でしょうか。

その5つとは、下記の通りです。

  5) 数%の顧客しか買ってくれないという高価格
4)「高いから安心だ」の価格
3) 類似商品の価格(一般価格)
2)「大丈夫か?」と思われる安値
1) 原価

この中の3番が、同業他社の商品の価格、
いわゆる類似商品の「一般価格」です。

商品の値決めをする時には、
この「一般価格」よりも上の価格(3〜5番)を設定をするべき。

他社(一般価格)よりも安価で商品を売ると、
必然的に量を売らないといけなくなり、
規模の大きい会社に負けてしまうからです。

さて、実は、先に述べた
お客さまが思う「これくらいかな?」という価格は、
この「一般価格」のことなのです。

今、目の前にある商品を、
自分の思う「一般価格」と比べた時に、
高すぎたり、安すぎたりしないか。

お客さまは、頭の中で瞬時にそれを判断しているのです。

この「一般価格」が、提供者とお客さまで“ズレている”と、
今回のような「不適正」がおこります。

なぜ、このような「ズレ」がおこるのでしょうか?

それは、目の前にある商品について、
提供者の思う「商品のカテゴリー」と、
お客さまの思う「商品のカテゴリー」が異なっているからです。

例題で考えてみましょう

例を挙げてみましょう。

1本の面白いゲームを紹介します。

これは「英会話」のゲームで、
子どもから大人まで、家族皆で遊べるものです。

英語を発音すると、その発音の正確さに応じて敵を攻撃できたり、
自分を模したキャラクターと英会話ができるのですが、
それだけではありません。

ネット回線を通じて、海外の有名大学の講義を受けられたり、
世界中の人と一緒にカラオケができるので、
家にいながら海外の友人をつくることができるのです。

さてあなたはこのゲーム、一体いくらだと思いますか?

実はこれ、税込9,720円なんです!

さぁ今あなたは、
「安い!」「普通だ」「意外と高いな…」
どう感じましたか?

そして、何と比べてそう思ったのでしょうか。

RPGやバトルものなどの、一般的なゲーム?
駅前の英会話教室?
もしかして、海外旅行でしょうか?

この、比較対象の「何か」のカテゴリーというのが、
自分の思う「その商品のカテゴリー」なのです。

この場合であれば、下記のような具合です。

RPGと比べる場合:ゲーム
英会話教室:教育
海外旅行:レジャー

教育やレジャーと比較した場合、
もしかしたら「ものすごく安い!」と感じるかもしれません。
でも、一般的なゲームと比べたら「高い」とも言えるのです。

このゲームは、実際には存在しません。

でも、もし自分でこのゲームを作ったとしたら、
お客さまがどんな「カテゴリー」の商品と比べるか、
しっかりと見極める必要があります。

どの「カテゴリー」と比べてもらうかは、
商品の伝え方によって、ある程度の方向付けはできるでしょう。

しかし、あまりにもお客さまの想像とかけ離れていたら、
「高すぎる」または「安くて品質が不安」となりかねません。

だからこそ値決めをする前には、どのカテゴリーが適切なのか、
お客さまが「他の何と比べるか」を考え、
そのカテゴリーの一般価格を見つけることが不可欠なのです。

まとめ

上記は極端な例でしたが、
こんな風に、「自分とお客さまの思うカテゴリーが異なっている」
ということは、どのような商品にも起こりえます。

私の作ったアクセサリーで言えば、
購入してくれたお客さまの比較対象は、もしかすると
「渋谷にあるアクセサリー店」だったかもしれません。

彼女が普段、ブレスレット一つに3,000円近く掛けているとすれば、
私の商品は当然「安い」と思ったはずです。

だとすれば、私が比較するべき「商品のカテゴリーの一般価格」は、
「手作りアクセ」ではなく、彼女が普段利用していると考えられる、
「都会にあるアクセサリーショップの一般価格」だったのでしょう。

まとめると、
「原価や製作時間」から売値を決めるのではなく、
「お客さまの考える“カテゴリー”の一般価格」と比べて値決めをする。

決して提供者目線にならず、
お客さまの目線で、「適正価格」を付けることが重要なのです。

既に商品がある方も、これから新商品を発売される方も、
ぜひ「その商品の価格は本当に適正か?」と考えてみてくださいね

~

手作りの商品って、自分ではどうしても「既成品」より
価値や価格を下げてしまいがち。

私も今回そうしてしまったのですが、その根源には、
「自分の商品に自信がない」ということもありました。

でも実はそれって、販売を始める前に事前調査をして
アンケートをとったり、想定の値段を聞いたりすることで、
解消できることでもあります。

せっかく、皆さんに「良い」と言ってもらえる商品なのに、
自分でその価値を下げてしまったらもったいない!

やはり、自分の「感覚」だけでなく、
第三者の目線を取り入れることが重要ですね。

 

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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